ホームページ制作会社選びのチェックポイント

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ウェブディレクターとしての経験を踏まえつつ、
「もし自分が大阪、茨木市などの地域を拠点にビジネスを展開する中小企業であれば、どんなホームページ制作会社(ウェブサイト制作会社)に相談するべきか」
という観点で、できるだけ公平にチェックポイントを述べていきます。

1.マーケティングの知識を持ち、ビジョンを共有できるか

同じ目線で仕事

「クライアントがビジネスで本当に実現したいこと」をしっかり把握し、それをいかにサポートするかが、ホームページ制作会社の腕の見せ所です。

あくまで例えですが、学習塾のクライアントがいた場合、
「オーナーは赤が大好きなので、赤を基調としたホームページにしたい」
と言われて鵜呑みにするホームページ制作会社では、頼りになりません。
そうやって仕上がったホームページはオーナーさんの好みにはきっと合うでしょうけど、生徒さんや保護者から見てむしろマイナスになるかもしれません。
※もちろんオーナーを「塾長」としてキャラクター的に前面に出すような話であれば別ですが、それはそれで綿密な計算が必要です。

ホームページ制作会社の役割は、

・・・などなど、多岐に渡る要素をクライアントと一緒に捉えなおし、その対策を実施することです。
これが出来て初めて、クライアントのビジネスをお手伝いするスタートラインに立てます。

したがって、マーケティングの基本的な視点をもち、クライアントの実現したいことやビジョンと真剣に向き合えるかどうか、制作会社の担当者にたくさんの質問を浴びせてみてください。
もちろん発注する側も最低限の予備知識はあったほうが良いです。
たとえば、『沈黙のWebマーケティング』などウェブの専門知識がなくても読める書籍は読んでおいて損はありません。
仮に「ウェブマーケティング」についてホームページ制作会社側があやふやな様子だった場合、その会社は避けたほうが無難でしょう。

2.中規模以上のホームページ制作の実績があるか

一般的に、ホームページの規模が大きくなればなるほど、構築するホームページ制作会社には広範な知識や、多岐にわたる情報をまとめあげるための対応スキル、端的に言えばプロジェクト遂行の能力が求められます。
つまり、そういった案件の経験があれば、ホームページに必要なデザインや機能についても柔軟に対応できる可能性が高くなるというわけです。 仮の目安として100ページ以上で構成されるホームページの制作にも慣れているかどうか、という点で確認してみるとよいかもしれません。

最初は小規模なホームページであっても運営がうまくいくと、1-2年でビジネスが拡大して機能やコンテンツを拡大することは考えられます。
そういったときに、小規模ホームページの構築経験しかないホームページ制作会社では、要望に応えきれないリスクがあります。

3.自社ホームページをアップデート(更新)しているか

セキュリティ

その会社のホームページをよくみれば「顧客に対して、適切なホームページを構築できる業者かどうか」という判断ができます。なぜならホームページ制作会社を選定しようと考えている人=あなたにとって魅力的かどうか?という話でもあるからです。
あまりにも古くさいデザインだったり、だれから見ても配色が汚かったり、リンク先に「工事中」「Not Found」と表示されるページがあったり、運営主体が不明瞭だったり・・・その程度の対処ができていない制作会社が何を提言しても説得力がありませんよね。
以上のような超・基本的なことの他に、プロとしてこれをクリアしていないとマズい!というポイントが2つ。
それは

ということです。
一般的に、ホームページ閲覧者の50%以上はスマートフォンからアクセスしています。
したがってスマートフォンからの閲覧に最適化するという仕組み(「レスポンシブウェブデザイン」という手法が主流)を取り入れていないホームページは、ユーザーの利便性を軽視しているということにもなります。
スマートフォンからアクセスした際に、なんだがパソコンで見ているように横幅が妙に広く文字が小さくて見ずらい、となればそのホームページは最適化されていません。 プロとしてこれはマズいですよね。
https化というのは、かんたんに言うと、ホームページアドレスの最初の文字列が「http」ではなく「https」となっていることをさします。
これは閲覧しているユーザーの通信を暗号化しセキュリティを向上させるもので、近年一気にhttps化の流れが加速し、すでに定番化しました。
導入は必須中の必須と言えるでしょう。
導入されていないサイトの見分け方はかんたん。
そのホームページを閲覧している時、アドレスバーに下図のように「保護されていない通信」とか「セキュリティ保護なし」と表示されているものは対策がされていないということです。

保護されていない通信
セキュリティ保護なし

参考記事:常時SSLのメリットと注意点

参考記事:サイトの「HTTPS化」が世界的に進んで大きなターニングポイントを迎える (GIGAZINE)

4.ドメイン(ホームページアドレス)の権利を、クライアントのものにするか

「○○○.com」や「□□□.net」のように〇や□の部分を自身で決定できるホームページアドレスを、独自ドメインといいます。※厳密にはもっと条件があるので、便宜上の説明です
これをクライアント(発注者)ではなく、なぜか制作会社が自社の名義で取得・保持してホームページを構築するケースはよくあります。
しかし、これはあまりおススメできません。

ドメインは立派な「資産」ですから、ホームページを受託で作った業者側ではなく、ホームページの権利を持ちビジネスオーナーであるクライアント側が自社の名義でしっかりと取得・管理すべきでしょう。
後にそのホームページ制作会社と取引がなくなった場合、ドメインの所有権を移管する手続きがすんなりといけばいいのですが、そうはいかない場合も見受けられます。
正直に書きます。
制作会社側からすれば、自社で取得してしまって月々いくらかの費用を上乗せしてクライアントに請求する方が売上にもなるし、手取り足取り取得や管理の説明をしなくて済むので楽です。
特に「パソコンもインターネットも弱くてよくわかりません」というクライアントの場合は、この説明がなかなか大変です。
ですので、自社で巻き取ってしまいたい心情は理解できます。
しかし、それはあくまで制作会社側の理屈ですよね。
クライアントの立場で考えられるホームページ制作会社なら、安易にドメインを自社のものにせず「クライアント自らがドメインを取得し管理できるよう、丁寧にサポートする」ことに労力を費やしてくれると思います。
ドメインは下記の事例のように、下手をすれば高額で取引をされるほど取扱いに注意が必要なものなのです。
参考記事:1億円超を吹っかけられた「.com」ドメインを難交渉の末に獲得。急成長中のnoteはどう使うのか?」

5.ホームページ運用に関する定額費用の内訳が明確か

お金

ホームページ公開後のサーバー管理などを制作会社が受け持つことで、定額費用が発生するプランはよくあります。
それ自体は特に問題ではありません。

しかし、注意したいのは定額費用の内容です。
たんに制作会社側がレンタルサーバー会社の「共用レンタルサーバー」を契約して、そこにホームページのデータをただ置いているだけなら、制作会社側の労力は小さいことが多いです。
※共用レンタルサーバーではなくて制作会社が「専用サーバー」を用意(またはレンタル)して維持する場合は、サーバーエンジニアと管理作業が必要なのでそれなりにコストがかかります。(サーバーって何?という方はこちらの日経パソコンの解説などをご覧ください)

少し強引なたとえですが、外部の倉庫レンタル業者の倉庫サービスに契約して防犯まで任せているか、自社で土地を買って倉庫を維持管理しているか、の違いを想像していただくとよいかもしれません。

ホームページの更新作業などの実作業があれば、もちろん費用が発生して当然ですが、それがないのにレンタルサーバー代実費"以外"で、なにか高額な項目があれば確認して損はないでしょう。
具体的になにをするのかあいまいであったり、内容に対してあまりにも高額であれば、その制作会社は候補から外したほうが良いと思います。ちゃんとした制作会社なら納得のいく説明をしてくれるはずです。
また、そもそもレンタルサーバー会社側はまた貸し(転貸借)を禁止していることも多いです。つまり、場合によってはそれが大元のレンタルサーバー会社の規約に違反している管理プランだという可能性もありえます。

6.電話セールスをしてくる業者は、避けましょう

電話セールスをしてくる業者は「自社のWebマーケティングが弱いため、電話という前時代的な手法で顧客獲得をするしかない」という側面が強いと言わざるを得ません。
とくにSEO(検索エンジン最適化)やGoogleMap対策の勧誘電話などをしてくる業者は、全くおすすめできません。
これも自社がSEOに弱いので、電話に頼るしかないという矛盾が見えますよね。
「ニーズが顕在化していない潜在顧客の掘り起こしのために電話営業をしているのだ!Webマーケティングが弱いわけではない」という反論もあるようですが、相手側の迷惑や自社ブランドの影響を考えない時点でマーケティングやニーズを語ってはいけません。
もはやほぼ「落語」みたいな話ですが、10年以上前から下記のようなエピソードが語られています。


筆者の知る限り、多くのマジメな制作会社は、やみくもに見知らぬところへ電話営業などはしなくても、しっかりとした仕事を重ねることで、受注は途切れなくなります。
既存クライアントからの案件が継続したり、新しいクライアントにお繋ぎいただく関係性ができるからです。

7.運営元が明確か

その会社のホームページに法人名(フリーランスなら屋号)はもちろん、法人格や所在地、そして代表者名が明記されているか確認しておきましょう。
もちろん、個人でやっているフリーランスや一人親方の法人は自宅が拠点で所在地を明記しないことはじゅうぶん理解できます。「自宅なので記載していない」と書かれている場合もあって、それも誠実なアナウンスだと思います。
ただ、会社の代表名やフリーランスで個人の本名を伏せているのは、理由がよくわかりません。
たとえば「勤務先に内緒で副業でホームページ制作をやっていてバレたら問題がある」等でしょうか。
ホームページ制作の受発注は当然ビジネスで「商取引」である以上、代表者・責任者の本名すらわからない・隠しているというのは、客観的に考えてリスク要因ですよね。
もちろん、何かしらのやむをえない理由によって伏せている可能性もありますので、打ち合わせ時の名刺交換などで最終的に明確になり、納得ができれば良いとは思います。 その際に代表名を書いていない理由を聞いてみて、合理的な答えがあるかどうかで判断してみてください。
筆者の経験した実話ですが、クライアントもいる場で、名刺にハンドルネームとメールアドレスしか書いてないホームページ業者(?)と遭遇して驚いたことがあります。
趣味のオフ会であればそれで問題ないと思いますが、機密のやり取りも生じ、信用がすべてとなるビジネスにおいてありえないですよね。
なお、代表名が表示されていたとしても、検索に引っかからないようにホームページ上でわざわざ名前の文字を画像化して表示しているところもあります。もちろんデザイン的な意図で自筆署名のスキャン画像を表示している場合は除きますが、そういったケースも少し注意しておいたほうがよいでしょう。

8.安易に「ホームページ」という言葉をつかっていれば注意

分かりやすさを重視して、ここまでさんざん「ホームページ」という言葉を使って解説してきましたが、実はこの言葉は間違い、つまり元々は誤用とされています。すみません。
ですから、これを全く知らない、あるいはふだん何も考えずに「ホームページ」と連呼している制作会社には、ちょっとだけ注意が必要かもしれません。
その理由を下記のページにまとめました。
>> 「ホームページ制作 茨木」で検索してはいけない理由




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