【大阪北部地震】茨木市の災害用SNSが機能していない?

当社は大阪府茨木市にあり、私も市内に住んでいる。
今朝6月18日7時58分、震度6弱の強烈な揺れを経験した。

そして現在15時50分で地震発生からほぼ8時間たったが、隣接する自治体と茨木市のSNSを使った災害広報の動きが全く違う、というか茨木市だけ心もとない状況だと気がついてしまった。
災害時の情報発信に使うと、市みずから定めたはずのTwitterの投稿がゼロなのである。

行政を批判して騒ぐような趣味はないのだが、これはマズい。
少なくとも記録として残しておきたいし、なんらかの働きかけはしたい。

地震発生約8時間後、茨木市および隣接市の災害SNS状況

自治体名 Twitter投稿数 Facebook投稿数
茨木市 0 1
高槻市 29 30(はにたん)
吹田市 3(すいたん) 4

※2018年6月18日15時50分 現在の集計。
上記以外の隣接市である箕面市のTwitterなども高槻市と同様に多数の投稿あり。

このように茨木市だけSNSでの情報発信がないに等しい。
高槻市・吹田市では、ゆるきゃらの「はにたん」や「すいたん」アカウントを使ってでも情報を発信している。
おそらく緊急時マニュアルとして整備されていたのだろう。
なお、それ自体は問題ではないのだが、茨木市のゆるキャラ「茨木童子」はTwitterアカウントを持っていない。

また、上記に掲載しておらず茨木市とも隣接はしていないが、同じく震度6弱だった枚方市(ひらかたし)は、高槻市と同様に積極的な投稿をしていることが確認できた。

茨木市・高槻市・吹田市の公式Twitter

以下は3市の地震発生8時間後のTwitterスクリーンショットである。


https://twitter.com/ibaraki_city より


https://twitter.com/takatsuki_bosai より


https://twitter.com/suitan1015 より

このとおり茨木市だけ、情報発信がない。
茨木市では下記のように災害時の情報発信ツールとしてTwitterを利用すると公式に位置づけているのだが、活かされなかったようだ。


http://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/kikaku/machimiryoku/menu/kohogakari/homepage/sns/twitter.html より

茨木市・高槻市・吹田市の公式Facebook

次は3市の地震発生8時間後のFacebookページである。


https://www.facebook.com/city.ibaraki より


https://www.facebook.com/hanitanofficial/ より


https://www.facebook.com/suita.city より

高槻市はTwitterとほぼ連動させて、30件の情報発信を行っているのに対し、茨木市は地震発生から約7時間半後となる15時27分の投稿1件。
しかもガス漏れの情報を1件掲載しているだけで、詳細はのちほど・・・という狭い範囲でしか情報を掴み切れていなくて“とりあえず投稿した感”がにじんでしまっている。

もちろん、被害の度合いについて市によって差があるのかもしれないし、誤った情報が拡散すると二次被害が起きるので慎重な対応は必要だ。
しかしここまで落差があると、どうみても茨木市のSNSを使った災害広報が機能不全に陥っているように見えてしまう。

もしかしたら「SNSは補助的。詳細は自治体の公式ウェブサイトで」という考えもあるのかもしれない。
しかし、情報収集源としてSNSが標準的になっている現代でそれでは置いてけぼりになる人が出てしまう。

そもそもアクセスが集中すると市のウェブサイトのサーバーは落ちる可能性がある。(現に大阪ガスのウェブサイトは、地震発生の本日はアクセスがかなりしずらい状況にある)
TwitterやFacebookのほうが大量アクセスに強いのは言うまでもない。
なので併用するのがどう考えても合理的だ。

すくなくとも私がチェックした2018年6月18日15時50分時点での茨木市公式ウェブサイトは下記のような状況。


http://www.city.ibaraki.osaka.jp/ より

多ければいいというわけではないが、3件のお知らせ掲載。
比較として、高槻市と吹田市の同時刻のスクリーンショットも掲載する。

高槻市▼


http://www.city.takatsuki.osaka.jp/ より

吹田市▼


http://www.city.suita.osaka.jp/ より

これからも余震が続く、あるいは今回が余震でこれから本震が発生する可能性を考えると、災害時の広報が後手になった茨木市の現況はやはりまずいと思う。

情報も錯綜しているだろうし、おそらく24時間体制で対応に追われる防災担当者の方の苦労を考えると、このような不備をあげつらうのは心苦しい気もするが、自治体としての情報発信体制が脆弱なのはそれとは別問題だ。

2018年6月18日21:00追記

17:00以降、茨木市公式ツイッターが徐々に情報発信を始めたようです。

2019年6月19日14:40追記

茨木市公式Facebook 2019年6月19日13:09の投稿。


https://www.facebook.com/city.ibaraki より

これを見ると、SNSやネットに疎い人が「中の人」を担当してようにもみえる。
「避難所は市HPで」と書くならリンクを貼らないと情報にたどり着けない人がいるし、可能なら投稿内に避難所のリストを掲載すべきだ。
こういった一度の発信の質が、今後大きな本震が来た時に文字通り死活問題になる。
さすがにマズいと思ったので、この件についてFBコメント欄で指摘しつつリストを掲載しておいた。

<2019年6月19日18:00 補足>
コメント後、市から返信があり、投稿を編集してリンク設置の対応をしてくれたようです。
また、新聞社から本件についての取材があり出来るかぎりの回答をしました。