マーケティング用語って気まずくないすか?【スモビる! #14】

考えすぎ、かもしれません。
でも、マーケティング用語って対象者ご本人の前で言いにくい、気まずさをはらんだものが多い気がするんですよ。
というわけで、ポッドキャストのテーマとして取り上げました。
ググってみると近いことを書いていらっしゃる広告運用会社さんもわずかにあったので、「気になってもおかしくはないよね」とは考えています。
皆様の意見をお聞きしたいテーマです。

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AIによる要約

このポッドキャストは、スモールビジネスやその周辺のカルチャーについての話題を提供しています。特に、マーケティング用語について上から目線で感じる違和感について話しています。話者は、LTV(ライフタイムバリュー)、ナーチャリング(顧客育成)、顧客ロイヤリティ、集客、ターゲット、カニバる(競合する)などの用語について、顧客に対して上から目線で感じる違和感を指摘しています。これらの用語が、顧客に対して偉そうや高ぶりを感じさせることがあるとし、時代の背景としても肉食感の強い資本主義的な言動が合わなくなってきていると考えています。

文字起こしテキスト全文

このポッドキャストでは、スモールビジネスやその周辺のカルチャーについての話題をお届けしていきます。
再生ありがとうございます。
ウェブディレクションと音源制作を手掛けるシララ株式会社の伊東宏之です。
今日は「マーケティング用語って上から目線でちょっと気まずくないだろうか」ということをテーマにお話ししたいと思います。
これはですね、ほぼイチャモンのような話題かもしれないなと自分で思うんですけれども、ぜひ皆さんの意見をお聞きしたいなというテーマでもあります。
検索してみたら、やや近いニュアンスの記事を書いておられる広告運用会社さんもあったので、気になる人はゼロではないんだろうなとは思います。
スモールビジネスをやっていると、マーケティングというのはもちろんものすごく重要ですよね。
大きな組織に属している方だと、マーケティングに関わらないポジションの方も当然いらっしゃると思うんですけれども、
スモールビジネスで自分が何かしらそのビジネスのオーナーであれば、マーケティングに関わらざるを得ないというところだと思います。
ですので必然的にいろんなマーケティングの手法とか用語に触れることになるんですけれども、違和感を覚えるときってないでしょうかね。
僕は結構あるんですよね。
マーケティング用語って顧客に対してちょっと偉そうで、お客さんの目の前でその単語って堂々と言えるかね?っていうものがある気がして、今日はそのあたりについてお話ししたいと思います。
自らマーケティングに近づいておいて文句を言う当たり屋みたいな話ですし、もちろん言葉狩りをしようとか変な言い換えとかをする必要もないとは思うんですけれども、ただ時代背景もありますし、これからはちょっと注意していかなきゃいけない部分かなと思うんですよね。
では今日は6つほどマーケティング用語について羅列していこうと思います。
まず1つ目、LTV
これはライフタイムバリューですね。
顧客障害価値というやつですかね。
言わんとすることはものすごくわかるんですよね。
売り手側にとってのユーザー、顧客の価値ということで、
でも人様をライフタイムという指標で、しかも価値を定めるっていうところがですね、ちょっと感覚的に気まずいかなと思って僕はドキドキしちゃうんですよね。
もちろんそのライフタイムというのは本来の生涯という意味ではなくて、あくまでサービスを使っていただく中でのライフタイムだというのももちろんわかるんですよね。
ただ、これを考えた人、この言葉を考えた人ってだいぶ強気だなと思っちゃうんですよね。
というわけで1つ目、ライフタイムバリューでした。

そして2つ目、ナーチャリング
これは日本語で顧客育成とか顧客教育というやつですよね。
なんかこれもちょっとね、やっぱり上から目線かなという感じがしますよね。
顧客の方から教えてくださいというふうに頼んでいれば100歩譲って、それだったらいいかなと思うんですけれども、基本的に顧客の方からそういうことを頼むことはないですからね。
なのに我々の商品の価値を教えてあげようというふうなちょっとね、おごりというか高ぶりが根底に感じられるような言葉だなと思います。
2番目、ナーチャリングでした。

そして3つ目、顧客ロイヤルティですね。
これもまたね、だいぶ上から来ている感じがしますよね。
このロイヤルティって当然忠誠心という意味ですからね。
意味はもちろんそのままで売り手側に対する顧客の忠誠心というところで、高級ブランドとかでマッチしそうな言葉・・・ではありますよね。
なんとなく、圧倒的な上からというところで、王政とか帝国主義的な、なんか西洋っぽい価値観を感じる言葉だなというふうに思います。
出どころがどこなんだろうと思って気になる言葉でもありますよね。
3番目、顧客ロイヤルティでした。

そして4番目、集客
これね、僕も全然普通に使っちゃってるし、もう本当に一般化している言葉なので、どこがダメなの?っていう感じも自分で言ってて思うんですけれども、やっぱりお客さんご本人の前で「集客」って堂々と言えるかっていうと、ちょっと気まずくないですか?
「集める客」という言葉ですからね。
あとは、医療機関とかで患者さんを集めることをちょっと特殊な用語で週間、集める患者と書いて集患ともいうんですけれども、これもなんか気まずい単語だなと思っていつも使ったり聞いたりしてしまうことがあります。
はい、というわけで4番目、集客でした。

そして5番目、ターゲット
これもね、もう本当に僕も含めて皆さんもよく使うと思うんですけれども、これもちょっと微妙に失礼というか使いづらいなと思う時があるんですよね。
ターゲットってやっぱり標的ですからね。
なんかすごい肉食感というかね、戦争的な意味合いが感じられる言葉だなと思います。
「対象者」とかならね、まだちょっと分かるんですけど、あくまでそういった本当に微妙なニュアンスのところでターゲットっていう言葉ってちょっと使いづらいというかちょっとだけ気まずいなと思うことがあります。
5番目、ターゲットでした。

そして最後6番目なんですけれども、カニバる
これですね、もうかなり広まっているので、もはや違和感ないんですよね。
違和感はないんですが、カニバるという言葉じゃなくて、普通に「競合する」という言葉で表現しちゃダメなのかな?というふうによく思うんですよね。
やっぱりカニバるというのはカニバリズム、つまり生物同士の共食いの意味合いなので、結構強い言葉というかザワッとしますよね。
この言葉が出始めたのはもう10年以上前だと思うんですけれども、
当時のことを僕ははっきり覚えていて、僕の記憶ではもう使っている人たちというか出どころとなっていたような方々って、キラキラ系の広告代理店の人たちが使い始めた印象があるんですね。
この辺りの人が使って一般化したというような感じだと思うんですけれども、
確かそこの代理店の方だと思うんですけれども、代理店の方が新卒ぐらいの、かなりまだキャリアの浅い方がインタビューで思いっきりこのカニバるという言葉を使っていて、やっぱり結構僕はびっくりしたんですよね。
一部でちょっと話題になっていたような記憶もあります。
やっぱりあまりにも言葉として、今となってはみんな慣れてしまったけど、強い言葉だなという感じがしたので。
これは個人的な感想なんですけれども、キャリアが浅めのビジネスパーソンでカッコつけたいのであれば、むしろもうちょっとベーシックな言葉を使った方がサマになるんじゃないかなというふうに当時思ったことも覚えています。
今回なぜこういう言葉が流行るのかなというふうに考えてみたんですよね。
これってやっぱりジャーゴン、つまり業界用語、専門用語を使う気持ち良さってありますよね。
それはもう僕自身もめちゃめちゃそうですし、人間の性質として絶対あると思うんですよ。
あとはやっぱり上から目線の言葉を使うと、どうしてもマーケティングとか商売とか優劣のつく世界で、なんだかやっぱり強者というかカッコいいような気がしてしまうという。これがあると思うんですよね。
ただここでちょっと冷静になって思い出しておきたいのは「あまり強い言葉を使うなよ。弱く見えるぞ」という某漫画の名言ですよね。
これはもう本当に真を捉えた良いセリフだと思うんですよね。
これはネットスラングとしてこの言葉よく出てくるなと思うんですけど。
言ってる側っていうのはやっぱりある意味で”いい湯加減”になっていると思うんですけれども、受け手側は実はそうじゃないんじゃないかと。
そしたらそういったマーケティング用語自体が受け手のことを考えられていないという意味で、マーケティング上ある意味失敗、とは言えないけど、軽くスベっているような状態なんじゃないかなという気もするんですよね。
あとは時代の背景としてどうしても肉食感の強いというかマッチョ感の強いゴリゴリの資本主義的な言動っていうのは最近のムードとしても少し合わなくなってきてるんじゃないかなとは思います。
なので僕も最近気になり始めたのかなという気がします。
というわけで非常に気にしすぎな話かもしれないし、もしかしたら聞く方によってはちょっとご気分を害されるような話かもしれないので非常に申し訳ないんですけれども、ぜひご意見をいただきたいです。
というわけで今日はマーケティング用語って上から目線でちょっと気まずいんじゃないかということについてお話ししました。