ゴリラ礼賛。その魅力を考える

このブログは、タイトル部分にゴリラの写真を採用した(2017年7月現在)。
なんの気なしに選んだものなのだが、タダで使わせてもらっているのも悪い。

そこで、ゴリラを褒めたたえるエントリーを書きたい。

このブログの公開当時はこんな感じでゴリラがメインビジュアルになっていました



ゴリラの魅力とは?

ゴリラは優しい

動物園の柵から落ちた子どもをゴリラが助けた、という話を聞いたことはないだろうか。

1996年、アメリカのブルックフィールド動物園にて幼児が誤ってゴリラのオリに転落してしまった。
落ちた男の子は気絶して動かない。
強靭なゴリラがもし襲ってきたらひとたまりもない。
しかしそんな不安とは裏腹に、メスのゴリラがやってきて、優しく男の子を飼育員の出入口まで運んだのである。

これがその時の映像だ▼

見ていて心が温まる、慈愛に満ちた行動ではなだろうか。

野生のゴリラも、危機が迫らないと人間に対して威嚇のみで攻撃してこないという。
そしてほぼ草食だ。
共喰い・しかも子喰いは当たり前という、チンパンジーあたりとは大違いである。

ゴリラは賢い

類人猿であるゴリラの動物界での知能水準は、疑いようがない。
たとえば、野生のゴリラに「杖」を使って水深を測るという行動が観察されている。


*画像はナショナルジオグラフィック日本版「ゴリラの“杖”、類人猿の優れた知能」のスクリーンショットです

ジャングルを無為に進む「藤岡弘、探検隊」にも似た人間らしさを感じさせる。
特にこの写真だと”カメラマンが前から撮っている感”もあるし。
いずれにしても杖の長さと水深の関係を理解している姿は、かなり知性的だ。

また、心理学者によって手話を教え込まれたと称するゴリラの存在も有名だろう。

1971年に生まれたココは人間以外で言語に最も熟達した動物である。
習得した手話の語彙数は1000を超えている。話し言葉(英語)でも約2000の単語を理解しており、ココが人に話しかける場合も多いという。
引用:ナショナルジオグラフィック日本版「人間と会話、類人猿の優れた知能」

じつは、このココを研究をしている財団や心理学者について各方面から疑念の声が上がっており、私も個人的にはだいぶ怪しいと思っている。
ただ、万が一ホントならかなり面白いので眉に唾を滴らせながらスゲー!と叫びたい。

ゴリラはレア

2016年「国際自然保護連合(IUCN)」が「レッドリスト」の最新版を発表し、その中で最も深刻な絶滅危惧IA類にゴリラを指定している
いなくなってしまってからでは遅い。

たとえこんな風に彼らにウ●コを投げられても怒ったりせず、ものすごく丁重に扱わねばならない存在なのだ。

ゴリラはかわいい

赤ちゃんのように顔の中心にパーツが寄っているものを人間はかわいいと感じる傾向があるそうだ。
「ベビーシェマ」と呼ばれる容貌の特徴・条件で、ゴリラはほぼ完ぺきにこれを網羅している。

多くの生物に共通する赤ちゃんの形態的・行動的特徴を調べています。その特徴とは,「体に対する頭の大きさの割合が大きい,顔より頭蓋のほうが大きい(大きい額),目が大きく丸くて顔の中の低い位置にある,鼻と口が小さく頬がふくらんでいる,。体がふっくらして手足が短くずんぐりしている,動作がぎこちない」というものです。
引用:日本心理学会「赤ちゃんがかわいいのはなぜ」

この条件に該当しそうな他の動物は、パンダやレッサーパンダ。
つまり彼らと互角に張れる実力があるってこと。かわゆさで。

だからモチーフとしてこんなに使われまくっている!

これほど魅力のあるゴリラだから、作品や広告のモチーフとして使われている例は無数にある。
そして、それらのヒット率が高いように見える。

音楽:ゴリラズ

ブラーのデーモンが結成した覆面バンドとして名高いゴリラズ。
いま見るととてもストレートなバンド名。
デビュー時はなかなか衝撃的だった。
2017年、6年ぶりに待望の新譜もリリースされた。

映画:キングコング 髑髏島の巨神

今さらキングコング……?という大方の感想をいい意味で裏切り、大ヒット。
世界の興行収入が5億ドル(550億円)を超えているという。

私も鑑賞したが、名作『地獄の黙示録』も下敷きにしたすばらしくテンションの上がる映画だった。
三部作としてあと二作、すでに制作が決定しているらしい。

食べ物:ゴーゴーカレー

年商55億円と「金沢カレー」ブームの火付け役として、破竹の勢いで店舗展開しているゴーゴーカレー。


ゴーゴーカレー公式サイトより

以前はあたかも公式キャラクターのように松井秀喜選手の写真を店舗のいたるところに飾っていたが、無断使用だったらしくさすがに辞めたようだ。
(そもそも、いくら社長が同郷とはいえなぜ使ってOKだと思ったのかは謎。)

ゴジラ松井→ゴリラという語呂的なイメージ連動なのか、現在に至るまでロゴや店舗デザインにゴリラが多用されており、強いインパクトを残している。
力強くゴリゴリとビジネスを拡大していく様子と、その裏で緻密な戦略を立てていそうな繊細さが、ゴリラ本体の姿とも重なる気がする。たぶん気のせいだが。

ことほどさように、人間はものすごく便利なモチーフとしてゴリラをタダ働きさせているわけだ。
近縁だからこそのユニークさ・素晴らしさを他の動物以上に我々が感じ取っているのかもしれない。