タイトルの通り、独立してからいきなり東京から離れて、あまり土地勘のない関西にきました。その後どういったアクションを取ったか、なにが起きたのかをポッドキャストのテーマにしました。

各配信サービスでお聴きいただけます
文字起こしテキスト全文
このポッドキャストでは、スモールビジネスやその周辺のカルチャーについての話題をお届けしていきます。
再生ありがとうございます。シララ株式会社の伊東宏之です。
今日は東京から大阪にいきなり移住して、フリーランスとしてどうやって生き延びたか?という話をしてみたいと思います。
というのも、弊社ブログの中でアクセス数が多いのが、「東京から大阪に移住してわかった、住むところ・食事・言葉の違い」というタイトルの投稿なんですね。
「東京から大阪 移住」とかでGoogle検索すると、一応それが上位に出てくることもあって、かなりニッチなテーマではあるんですが、一定の需要を感じています。
ただ、今回は生活文化というよりも、もっとスモールビジネス寄りのお話ができればと思っています。
私という”サンプル1”の話で恐縮なんですけれども、東京から離れた理由の一つに「独立したらどこでも仕事ができるだろう」と思っていたことがあるんですね。
ただ、これはのちほど触れたいと思いますが、半分正しくて半分間違ってました。
ネットがあれば確かに仕事そのものはできますよね。
でも、「仕事をすること」と「仕事をつないでいくこと」は、実際にはかなり別の話だったと、今振り返れば思っています。
で、自分の場合は、生まれたのは関西だったんですけれども、子供時代からずっと関東で過ごしていて、二十代の頭から三十代の半ばまでまるまる東京に住んでたんですね。
なので、大阪に来た時点で土地勘もほとんどないですし、さらにお取引先はもう関西にゼロだったんですよね。
人間関係も東京で知り合って、たまたま転勤で大阪に来ていた友人が一人いるだけだったんですよ。
つまり、仕事の土台になるものが関西にはない状態で来てしまったんですよね。
今振り返るとアホだったなというふうに思うんですよね。
だいぶ危ない橋を渡ったと思います。
しかも当時はまだ今ほどリモートワークが当たり前ではなかったですし、オンライン会議もズームじゃなくてスカイプの時代だったんですよね。
だからオンラインで全部完結するという感覚も、今よりずっと弱かったんですよ。
じゃあどうやってなんとか生き延びてきたかというところなんですが、これは一つはっきりしてて、「新しい出会いを増やすことよりも、既にある仕事をちゃんとつないでいくこと、続けていくこと」。
これをかなり意識しました。
当たり前といえば当たり前なんですけれども、東京時代からのお付き合いのあったクライアントさんと、より真剣に、丁寧に向き合うことを強く意識していったんですね。
どうしてかっていうと、やっぱりその大阪に移った後も変わらずお仕事を発注してくださるという、これはもう本当にありがたいことで、単純にその売上云々とかっていう話ではなくて、もう絶対に満足してもらわなきゃっていう、心情的な支えになって。
で、そこでより踏み込んで仕事をするようになりました。
なので、必要なタイミングでもちろん実際に東京にも行ってたんですよね。
独立したばかりの頃って、新幹線代も結構しんどいはしんどいんですけども、そこは考えないようにしました。
結果としてそれでなんとか継続していただいて、そこから少しずつご紹介も増えていったっていう流れが取れていました。
ですので、僕の中ではどこでも仕事ができるというよりも、これまでの関係性をどこまで大切にしていくかっていうことの方が、重要度としては高かったなというふうに感じています。
逆に言うと、完全に人とのつながりがゼロの土地で、で、オンライン中心に新規開拓をしていこうっていう考えだと、かなり難易度が高いだろうと予想はしています。
特にスモールビジネスだと、最終的には「誰と仕事をするか」っていうことがかなり重要になるので、単純にその能力とか価格とか、プレゼンテーションだけで決まるわけでもないと思うんですよね。
一方で、関西で、そういったお仕事のつながりはどうやって増やしたのかというところになると、今でもちょっと手探りなところはあるんですよ。
ただ、一つ良かったことを挙げると、関西での同業者とか、私の場合はクリエイティブ業界寄りの集まりに参加させてもらうのが良かった気がします。
例えばなんですけれども、大阪だと公の機関でメビックという組織があるんですね。
そういったところに参加するとか、同業者とかの集まりに行くと、当然そのお仕事で頼れる方とか、あるいはバックグラウンドが近いからか友達になってくれるような方とも出会うことができたんですね。
そうやって少数でもウマの合う方ができると、直接的に仕事につながらなくても、緩やかな仕事の紹介が発生することがあるんですよね。
どういうことかというと、僕の場合はふとした会話の時に「誰々さんのところでディレクターが必要みたいなんだけど、伊東くん入れますか?」みたいな感じで、声かけをもらったりとか。
逆のパターンとしては、僕の方で受注をしそうな案件で「この案件に信頼できるエンジニアさんがあと一人ジョインしてくれれば成立する」みたいな時があったりするんですよね。
そういった時に、こっちから声をかけて、そういう信頼できるエンジニアさんにチームに入ってもらうとか、そういった人のつながりができてくるっていうことが増えてきました。
一方で、似て非なるものというか、同業者の集まりではなくて、いろんな業界の方が来る「異業種交流会」ってあるじゃないですか。
あくまで個人的にはなんですけれども、あんまりピンとこないという確率がちょっと多め・・・の印象ではありました。
で、もちろんどんな業界の人でも仕事相手となり得る、例えば、行政書士さんとか社労士さんとか、そういう士業の方とか、お店をやってる方とか、保険関係の方とか、そういった方はね、すごく良いと思うんですけれども。
自分の場合はそういった業界ではないので、どちらかというと、割と一方的にセールスを受ける側に立つことが多かった印象があるんですよね。
あとは変わったところでは霊能者の方ですかね。そのかなりスピリチュアル寄りな方も異業種交流会に来られていたりとかして・・・やっぱりあんまりお話が噛み合わなかったりとか、そういった経験もありますね。今となってはもちろん良い思い出なんですけど。
そんな感じで、やっぱりどうしても人との縁って運ゲーみたいな要素もあるので、独立とか移住する前に、やっぱりそれなりに貯金を確保しておくことっていうのが、よく言われることではあるんですけれども、非常に大事だなと身に染みて思いました。
自分の場合も最初の二年間で、やっぱり仕事が少なくて、生活費がどんどん溶けていったっていう、ヒリヒリするような記憶があるので。
やっぱり貯金は超大事だなと思います。
ですので、交流会に行けばなんとかなるということはもちろん全然なくて、むしろ
「合うところ、合うコミュニティを見極めて、合わない場から撤退・離脱する判断力」
の方が大事だなというふうに思っています。
さらにですね、皆さん、もしかしたら気になるところかもしれないんですけれども、大阪のビジネス上のコミュニケーションのムードとか空気についても簡単に触れたいと思います。
これはかなり個人差も業界差もある話なんだと思うので、一般化しすぎるのは危険なんですけれども、やっぱり体感として大阪の方が東京よりちょっと人と人との距離がフランクというか近いなというふうに感じています。
東京より、ドライではなくて、20パーセントぐらいウェットかなという感じがして、まず人として合うかを見る感じが少し強いような気はしますね。
なのでチャットツールではなくて、口頭、つまり通話でのやりとりの比率も東京よりは少し多い印象があります。
まあ、だからといって特殊ルールがあるわけでも全然なくて、基本的には普通に真面目にやるしかないという点は、東京も大阪も同じだと思いますし。
そういう意味では「人が好き」な人にとっては結構やっぱり関西は合うんじゃないかなという印象も持っています。
大阪のステレオタイプなイメージとして、芸人みたいなリアクションを取ったりとか、その巧みな話芸の人なんてもちろんそうそういないので、そういった意味では、東京から急に大阪に来てもしんどいってことはないと思うんですよね。
あと、案件規模でいうと、やっぱり平均すると東京の方がもちろん大きいし、単価も高いと思います。
これはもう単純に市場規模の差だと思うんですよね。
とはいえ、大阪も万博もありましたし、そこでね、かなり大きい仕事をした方も周りにはいらっしゃいますし。で、これからIRですね。つまりカジノを含む統合型リゾートも来ますので、その他には、大阪が副首都になるとかそういう動きもあるらしいですから、その辺に強いビジネスパーソンであれば大阪はやっぱり刺激的じゃないかなと思います。
投資とかでもそうですけども「逆張り」の思想ってあるじゃないですか。
そういう意味で大阪って、その東京に対して逆張りだと思うんですよね。
なんですけれども、経済規模としてはやっぱり大きいので、そんな極端なものじゃなくて、ちゃんと勝率を期待できる範囲での逆張りが成立するのかなというふうに思っています。
さらに言うと、大阪に実際にいて感じるのが、東京と関西の両方の居住経験がある人ってそこまで多くなくて、そういった視点もけっこう活用できるタイミングはあるのかなと感じています。
まあ、例えば分かりやすいところですと、東京の地名が仕事で出てきた時にピンと来るかどうかっていうところとかですね。
意外とそういった小さなことですけど、役立つことがあります。
そこは移住したからこそ見えてきた利点かなと思います。
というわけで、もし東京から離れて土地勘のない関西で独立して頑張ってみよう、でも躊躇してるみたいな方がおられましたら、ぜひ踏み出していただければと思っております。