そのフリー素材、使って大丈夫?かんたんチャートでチェック

ウェブサイトや紙媒体のデザイン案、原稿案。
それらにフリー素材(ロイヤリティフリー素材)の画像が使われていることは非常に多い。

そのためフリー素材があしらわれていることに麻痺してしまい、ついつい素材の出自をノーチェックのまま提出、または受け取ったものにOKを出してしまうことはないだろうか?
いうまでもなく、これは著作権侵害のリスクを高めることになり、ちょっと危険だ。
かんたんにチェックするためのチャートを作った。

 

なにはともあれソース(参照元)を辿る

こんなチャートです。
(この時点で「ああ、なるほどね」「当たり前じゃん」と感じた方は、もうこの先を読む必要はないと思います。)
フリー素材の利用 かんたん確認チャート
→上記のPDF版。よろしければどうぞ。(183KB)

まずは「①」のソースをチェックすることからスタート。
これは素材を引用してデザイン案を作った人しかわからない。
したがって、自分がデザイン案の受け取り側、つまりWebディレクターや発注元である場合、事前に「画像の参照元をメモしておいて、あとで教えてね」と作り手とすり合わせておくといいだろう。
なお、参照元がウェブサイトであるとは限らずCDなどでデータ販売されている「素材集」の場合もあるが、同様に考えるものとする。

ここで参照元として遭遇する可能性があるのが、「他サイトの素材を転載しているだけのサイト」だ。
例えばこういう海外のサイトとか。※リンク先はWebArchiveです。
この海外サイトは親切にも(?)「Please check author page for more information.」などといった記載が各ページにあるので、オリジナルの配布元ではないと分かる。

対照的に、オリジナルの素材配布サイトとして一次ソースだとすぐ分かるのは官公庁も利用するほどメジャーになっている、みんな大好き「いらすとや」さんあたりではないだろうか。

なお「どこから拾ったか忘れたが、自分の手持ちをデザインに当てはめた」などソースが不明のものは、要注意。
その素材は使わない方が安全だろう。
もちろん「ソースは分かるが、もらった素材」などという場合も論外。
後述の利用規約とも関連する話だが素材配布サイトはほぼ100%、二次配布を禁止しているため、利用の権利がないはずだ。

正確な一次ソースまで遡れればチャートの「①」と「③」はクリア。
 
    

その配布元、実在する?

次に「②」をチェック。
つまり、配布元の運営者が明らかかどうか、ということだ。
特に法人でまともな配布元であれば、これを隠すことは考えにくい。
しつこいようだが、こういう海外の転載サイト(リンク先はWebArchiveです)には運営者の記載自体がないことが多い。
 
ちなみに前述の「いらすとや」は個人運営のようで運営主体が明記はされていないが、サイトの成り立ちやここまでメジャーになっていることから例外的に考えればよいと思う。
というわけで配布元の所在に不安がある状態でなければ、次へ進みましょう。
 
 

利用規約に落とし穴はない?

一次ソースまでたどれば、あとはチャート「④」の利用規約が合致するかをチェック。
ポイントは様々だと思うが、おもに私が見ているのは以下。
 
A.商用利用に関する制限がないか
B.利用回数(表示回数)に制限がないか
C.人物の場合、モデルリリースがクリアになっているか

意外とひっかかるのが、Aの商用利用。

たとえば以下のAdobeStockの規約を見ていただきたい。

「エディトリアル専用」とラベル付けされたアセットは、ニュースや出来事に関連した記事、ブログ、フィルム、放送に使用できます。
<引用元>Adobe Stock ライセンス情報

 
とあり、さらに

× 広告、プロモーションまたはその他の商用利用のためにアセットを使用することはできません

× 商品で販売や配布を目的としてアセットを使用することはできません
<引用元>Adobe Stock ライセンス情報

 
と記載されており、「エディトリアル専用」に該当する素材は広告バナーや商品パッケージに使ってはいけないということになる。

そのほか、クリエイティブコモンズライセンスで商用利用は不可という場合があるので、これも気をつけたい。
※クリエイティブコモンズの商用利用については、下記のサイトが良くまとまっていました。
→クリエイティブコモンズ|商用利用でトラブルを避ける全知識」 
 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。

CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。
<引用元>Creative Commons Japan「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」

 
  

地雷を踏まないために、知財検定を受けるつもりで勉強しておくのも手

他にもさまざまな視点やフローはあると思うし、専門家でもないくせに偉そうに書いてきてしまった。
毎日のように著作物と向き合う身としては、ブーメランにならないよう気をつけたい。
とはいえ、以上のチャートをクリアすれば、何もしないよりリスクをだいぶ減らせると思う。

なお、普段から著作権まわりの「地雷」を踏まないために、知財検定(知的財産管理技能士検定)を受ける前提でじわじわと勉強しておくのは有効かもしれない。

知的財産管理技能士って何でしょう?
企業や団体の中にいながら知的財産を適切に管理・活用して、その企業や団体に貢献できる能力を有する人が「知的財産管理技能士」
<引用元>国家資格 知的財産管理技能検定ウェブサイト

 

私の話で恐縮だが、会社員時代に商標出願業務などをたまたま担当していて知財の世界に興味がわき、それが高じて「二級知的財産管理技能士」を取得した。
難易度的に自慢になるようなものでもなく、取ったからといって弁理士や弁護士のように独占業務が出来るような資格でもないが、学習時に身につけた視点・考え方が今でも役に立っているとは思う。
三級でも十分だと思うので、クリエイティブ業務にかかわる方は取っておいて損はないはず。
なんなら実際に受験をしなくても、その学習のプロセスだけでかなり役に立つと思うのです。

Amazonリンクを貼っていると知財検定のまわしものっぽいですが、ご参考までにテキストを↓